パソコン最大手ブランド、華碩電脳(ASUS)は8日、今年通年のノートPC出荷目標を従来の2,280万台から2,000万台へと12.3%下方修正したと発表した。昨年実績の2,030万台を下回る数字で、事実上の前年割れ予測だ。マイクロソフトの次期OS(基本ソフト)、ウィンドウズ10の7月末発売前の買い控えで第2四半期のノートPC出荷が予想を下回り、発売後も第3四半期に需要増が見込めないと判断したもようだ。9日付工商時報などが報じた。
今年通年のノートPC出荷目標を下方修正した大手ブランドはASUSが初めてだ。ASUSは今年5月の時点で、通年のノートPC出荷は前年比12.3%増の2,280万台を達成できると表明していた。今回一気に2,000万台に下方修正したが、第4四半期に市況が改善しなければ2,000万台割れもあり得るとの見方が浮上した。


 ASUSは第2四半期のノートPC出荷台数を前期比6.3%減の450万台と予測していたが、価格競争や為替変動などの影響で実際は430万台にとど まったとみられる。上半期通期では910万台となり、下方修正前の通年目標ベースで達成率はわずか40%だったもようだ。修正後の目標台数で計算すると、 下半期は1,090万台と上半期比20%増を目指すことになる。
 ASUSは一方、「スマートフォンの通年出荷目標については1,700万?2,500万台を据え置いている」と強調した。このため、通年のスマホ出荷台数が初めてノートPCを上回る可能性が高まった。
  ASUSが8日発表した6月の連結売上高は前月比23.8%増、前年同月比22.9%増の416億8,000万台湾元(約1,630億円)だった。大幅増 収は30%以上の出荷成長を見せたスマホがけん引したもので、ノートPCが寄与したわけではないようだ。第2四半期の連結売上高は前期比3.1%減、前年 同期比3.1%増の1,084億300万元、上半期は前年同期比2.2%増の2,202億9,200万元だった。
 7月の売上高見通しについて ASUSの広報担当は、ノートPCの需要低迷などで6月より「明らかに減少する」との予想を示した。実際にそうなれば、2012年以降で初めて7月の売上 高が6月を下回り、例年の需要期に需要が見込めない事態となる。下半期も厳しい戦いが続きそうだ。