2014年にノーベル物理学賞を受けた、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二さんが14日、神戸市灘区六甲台町の神戸大学で講演した。大学関係者や学生ら約450人に、青色発光ダイオード(LED)開発やその後の仕事について語った。
 中村さんは、受賞の報道などで「量産化や商品化に携わった」と紹介されたとし、「そんなことで(ノーベル賞を)もらえるはずがない」と一蹴。自身が取り組んできた青色LEDの開発を詳しく説明した。



 続いて、自身のベンチャー企業で開発した「紫のLEDを使った照明」を取り上げた。照明として普及している「白色LED」は一般的に青と黄色を混ぜて作られるが、波長の関係で一部の色が出せていないという。
 全ての色が均一に出る太陽光のような光源が理想といい、青色LEDが目に直接入ると睡眠障害を起こすといわれることなどから「青の代わりに紫を使った照明の方が体に優しく、全ての色が出せる」と紹介した。
 パネル討議では、学生から「装置の改造と実験を繰り返す中で、諦めたくならなかったか」と質問されると、「幼い頃から、クイズ感覚で問題を解くのが好きだった。(これまでの研究から)突破できる自信もあった」と答えた。