経営再建中のシャープが10月に行う組織再編で、平成25~26年にかけて新設した「新規事業推進本部」と「市場開拓本部」を廃止する方向で調整していることが24日、分かった。再建の柱と位置付けていたが、期待通りの収益を上げられず既存事業との重複もみられたため。両組織は、5つの社内カンパニーに事業を集約する。
 新規事業推進本部は25年5月、医療、ロボットなど成長性の高い6分野の開拓を目指し、200人体制で立ち上げた。当時副社長だった水嶋繁光会長が統括し、27年度で800億円の売上高を目指していた。



 25年度に空気の汚染度を測る「微生物センサー」など14の新商品・サービスを開発し、事業化。26年度には同推進本部を支援するため、顧客への聞き取り調査などを担う市場開拓本部を80人体制で新設したが、関係者によると2カ年での目標は未達に終わった。

 一方、既存の事業部が単独で新規事業を推進するケースがあり、業務の重複を指摘する声もあった。シャープは今年10月、主要6事業を5つの社内カンパニーに再編。進行中の新規事業は各カンパニーが継承するとみられる。