例えば、サプライヤーの営業に強引に接待を強要したり、装置メーカーに「評価機をタダでもってこい」と要求したり、装置の移設の際の工事費を押し付けたり、注文書も覚書もなく「装置を○○台準備しろ」と要求したり、市況が変化するとその要求を勝手に取り下げたり、導入した装置の検収をズルズル引き延ばしたり、サービスエンジニアを奴隷のようにこき使ったり・・・。
 サプライヤーを取材すると、こんな話が四方八方から聞こえてくる。ある装置メーカーの元幹部は、「東芝の工場は、まるでやくざの組織だ」とまで言った。
「驕れる者久しからず」と言う。東芝の傲慢さは、いつの日か、身を滅ぼす原因になると懸念し続けていた。

役員フロアには、西室氏をはじめとする社長経験者の相談役が5人、副社長以上の経験者である常任顧問4人、執行役員経験者以上の顧問が12人いる。つまり、現役の役員の上に、17人もの相談役と顧問がいて、代表権もないのに会長や社長の舵取りに介入している。
 さらにおかしなことは、7月21日に相談役を辞任した西田厚聰氏が、未だに社用車で「お成り」しているという2)。事実上の引責辞任だというのに、その後も、相談役の待遇を維持し続けているというのは、どう考えても理解できない。一体、西田氏は何を辞任したのか。
 東芝の腐った文化の根源は、ここ「浜松町」にある。浜松町に影の重鎮がいる限り、取締役を取り換え、社外取締役を増員しても、経営体制を刷新することはできないだろう。まず、浜松町の本社から退役老人を一掃するべきである。



さらに驚くのは、7月21日に田中社長とともに副社長を辞任した小林清志氏の扱いだ。小林氏は、東芝の稼ぎ頭となったNANDフラッシュを陣頭指 揮してきた実力者だったが、引責で東芝を去ったはずだった。ところが、小林氏は8月1日付で「半導体顧問」に就任し、副社長時代と同様に、本社メモリ事業 部の一角にあるオフィスで執務を続けているという3)。私もその記事で初めて知ったのだが、小林氏の人事は一切公表されておらず、社内でもごく一部にしか 知らされていないという。

では、技術者はどうか。.....中略......告発したケース4は、「半導体部門の現役エンジニア、40代後半」によるものだ。
  「経理部門にばれなかったのか。そんな心配したことないよ。工場の経理は、現場部門が算出する原価を追認しシステムに登録するのが役目。我々エンジニアが 原価をごまかすと、経理は絶対に見抜けない。…なぜ、そんなことをしてきたのか。決まってるでしょ。正直に「赤字になる」といったらリストラされるから だ」。

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