「半導体、ディスプレーなど部品が牽引し、テレビと家電は善戦した。さらに為替が追い風となった」。
  サムスン電子が5四半期ぶりに営業利益7兆ウォン(約7000億円)台を回復し、アナリストは「期待以上」と評価しながらこのように分析した。多くのアナリストは営業利益を6兆ウォン台と予想していた。7-9月期のウォン安が影響を与えたが、販売が増えていなければ為替レートの影響も大きくなかったという分析だ。世界的な景気低迷とMERS(中東呼吸器症候群)の影響の中でも4期連続で実績を改善し、売上高50兆ウォン、営業利益7兆ウォンを超えた点は目を引くというのが業界の評価だ。



 半導体・ディスプレーなどDS(部品)部門の善戦が実績の反騰に結びついた。今回の暫定実績発表では事業部門別の実績は公開されなかったが、証券業界は営 業利益を半導体3兆7000億ウォン、ディスプレー9000億ウォン、携帯電話2兆3000億ウォン、消費者家電4000億ウォンと分析した。半導体と ディスプレーを合わせたDS部門の営業利益は全体の63%の4兆6000億ウォンということだ。

  メモリー半導体のDRAMとNAND型フラッシュメモリーは7-9月期、厳しかった。しかしサムスン電子はDRAMに20ナノ微細工程を導入し、NAND 型は3次元(3D)製品を量産し、市場を支配した。全般的に価格下落傾向の中でも技術力で適正価格を受けたということだ。またシステム半導体を生産するシ ステムLSI事業部も14ナノ先端工程を前面に出し、アップルからモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)の注文を取り戻し、収益を出した。ディスプ レー部門も主力のOLED(有機発光ダイオード)パネルが「ギャラクシーS6」などプレミアム製品だけでなく「ギャラクシーA」「ギャラクシーJ」など低 価格スマートフォンにも次々と搭載され、実績が改善した。中国スマートフォン企業がOLEDパネルを採用したフォンを10種類以上出したのも売上増大に寄 与した。7-9月期のディスプレー売上高全体で中国企業関連の比率は20%を超えることが分かった。