panel大手量産計画_2015Oct中国メーカーの大幅な増産で液晶パネル価格下落が進む中、第4四半期に友達光電(AUO)、群創光電(イノラックス)など台湾メーカーの赤字転落が懸念されている。中国の市場調査会社、群智諮詢(シグマインテル・コンサルティング)は、パネル応用製品の市場開拓以外に、減産、投資計画の先送りしか対策はないと指摘した。14日付経済日報などが報じた。
 市場調査会社、IHSテクノロジーは、第4四半期にパネルメーカーの利益率がゼロまで下がると予測した。ウィッツビュー・テクノロジーは、パネルメーカーはテレビ用パネル価格の続落で11、12月に損失が出始めると予測し、パソコン用パネルは既に第3四半期に赤字に陥っていると指摘した。韓国のLGディスプレイ(LGD)は第3四半期の営業利益が前年同期比24%減の3,500億ウォン(約365億円)。サムスン電子は自社の有機EL(OLED)パネル搭載スマートフォンに助けられているが、テレビ用パネルの利益はLGD同様に悲惨な状況とみられている。



 韓国メディアの報道によると、ウィッツビュー調査による9月テレビ用パネルのオファー価格は平均178米ドルと昨年12月の214米ドルから17%下落し、2010年以降で最大の下落幅を記録した。液晶ディスプレイ価格は75米ドルから67米ドルまで下がった。
  シグマインテルは、今年第2四半期以降パネル価格が続落する中、第4四半期に世界のテレビブランドが在庫高に直面し、一部サイズのパネル価格は損益分岐点 まで下がると予測した。同社の統計によると、今年のテレビ市場規模は前年比3.5%縮小するが、パネル出荷枚数は2~3%増加する予測で、パネルの供給過 剰は鮮明だ。
 さらに来年は、世界で第8.5世代級の生産ライン5本が量産を開始する予定だ。生産能力が前年比10.6%増え、需給バランスは11%の供給過剰となる見通しだ。
 AUOの第8.5世代工場は月産能力2万5,000~3万枚(来年上半期に量産開始予定)、イノラックスの第8.6世代工場は4万枚(同年第3四半期に量産開始予定)にすぎない。
 一方、アナリストによると、中国パネル最大手、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)は3月に稼働した重慶市の第8.5世代工場で月15万枚を生産している。同社はさらに、安徽省合肥市に第10.5世代工場を建設することも発表している。
 第8.5世代のガラス基板は60インチテレビ用パネルが3枚切り出せるが、第10.5世代なら8枚切り出せ、一度に生産できる量も多い。中国政府が支援する「紅色サプライチェーン」が、台湾、韓国パネル業界に深刻な打撃を与えている。