韓国のLG化学は27日までに、電気自動車(EV)メーカーの米テスラ・モーターズにリチウムイオン電池を新たに供給することで同社と最終調整に入った。テスラのEVに向けた電池はパナソニック製がほぼ独占してきた。だが、テスラはEVの本格増産を始めるのを機に、この体制を見直す。日本が得意とする車載用電池でLG化学は供給先を急速に広げてきた。テスラへの納入が決まれば、世界市場での存在感を一段と高めそうだ。

 電池をはじめとする車載用関連事業を成長戦略の柱と位置づけるパナソニックにとってテスラの調達戦略の転換は打撃になり得る。テスラの成長に伴う需要拡大の一部を失い、ある程度の価格競争も強いられるためだ。



 パナソニックは現在、大阪の工場からテスラに電池を供給している。米ネバダ州ではテスラと共同で巨大工場を建設中だ。2016年には一部が稼働する。完成する20年までの総投資額は50億ドル(約6000億円)。

  調査会社テクノ・システム・リサーチによると、車載用リチウムイオン電池の世界市場シェアはトップがパナソニック、2位は日産自動車とNECの共同出資会 社オートモーティブエナジーサプライだ。LG化学は3位にとどまる。だが、LG化学の供給契約先は米ゼネラル・モーターズ(GM)や仏ルノーなど20社を 超え、今後、納入が本格化する案件も多い。

 27日には中国・南京の新工場が完成した。LG化学にとって米韓に続く3つ目の生産拠点だ。合計での年産能力はEV18万台分以上で、従来より4割増えた。携帯電話用なども含めたLG化学の電池部門の売上高は14年実績で2兆8500億ウォン(約3000億円)だ。

 テスラは基幹部品である電池の購入先にLG化学を加えることで安定調達を目指すほか、複数の電池メーカーを競わせて価格や性能の改善を加速させる狙いのようだ。

  テスラは高級セダン「モデルS」や、多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の生産拡大のため、米カリフォルニア州にあるEV工場の年産能力を15年初め の3万5千台から年末には5万台以上に増やす計画だ。9月には第2工場がオランダで稼働を始めた。世界全体の年産能力は10万台に近づくという。EVの世 界最大手、日産自動車の「リーフ」販売台数は14年度が6万台だった。