華碩電脳(ASUS)の沈振来(ジェリー・シェン)執行長は11日、今年のスマートフォン出荷台数が2,050万台に達するとの予測を示した。前年の2.4倍以上に増え、初めてノートパソコンの通年出荷台数を上回り、台湾最大手ブランドに躍進する見通しだ。来年は前年比46.3%増の3,000万台を目指す。12日付経済日報などが報じた。
ASUSの第3四半期モバイル端末出荷台数は710万台、うちスマホは550万台だった。第4四半期はモバイル端末全体で前期比26.8%増の900万台、うちスマホは27.3%増の700万台を予想する。来年のモバイル端末出荷目標は前年比35%増の3,600万台。うちタブレット端末が600万台で黒字維持を目指す。



沈執行長は、モバイル端末の出荷台数は今年既にPCを上回っているが、売上高でPCを超えるのは2018年と予測。モバイル端末は今後もASUSの重点分野だと強調した。
 沈執行長は、スマホ事業は今年第1~3四半期に黒字を維持したと指摘。来年は新OS(基本ソフト)へよりスムーズに移行できる見通しで、「ZenFone」第3代機種5大シリーズを投入し、スパートをかけると表明した。
 沈執行長はまた、同社スマホの最大市場は来年もインドネシアで、2番目はインドになると予想。新興市場以外に西欧を中心とした成熟市場の開拓も続けると表明した。ただ、中国市場については、複雑で利益を上げるのが困難なため、来年は出荷目標を設定しないとした。
沈 執行長は、今年のPC出荷は約2,130万台に達する見通しで、来年は2,200万~2,400万台と世界平均成長率を上回る前年比3.3%~12.7% 増を目指すと語った。けん引役はタブレットにもなる2イン1機種とゲーム用機種で、中でも2イン1機種の出荷比率を今年の10~20%から20%へ高める 目標だ。
 沈執行長はさらに、2017年は個人向けノートPCで世界首位を狙い、PC産業の生存競争で勝ち残ると自信を見せた。