官民ファンドの産業革新機構は、シャープの株式の過半を取得する検討に入った。
 シャープを子会社化して会社全体の抜本的な立て直しを進める。シャープ側は不振の液晶事業を本体から切り離して別会社にした上で、革新機構などの出資を受けることを軸に検討している。革新機構とシャープは今後、支援の枠組みを巡る交渉を本格化させ、2015年度中の基本合意を目指す。



 産業革新機構がシャープ株の過半数を取得する場合の費用は2000億円規模に上るとみられる。革新機構は出資と引き換えに、再建を円滑に進めるため高橋興三社長ら現経営陣の退任や取引先銀行による債権放棄を求める考えだ。

  革新機構はシャープの経営権を握った上で液晶事業を分社化し、支援先のジャパンディスプレイ(JDI)との統合や提携を検討する。シャープは液晶以外に も、携帯電話向けのカメラ部品などで競争力のある技術を持っている。革新機構は、事業ごとに他社との提携や再編に踏み切ることも視野に入れている。