シャープで代表取締役の経験者など元幹部の転出が相次いでいる。中山藤一・前代表取締役専務執行役員が12月1日付でコンデンサー大手のニチコンの副本部長に就いたことが明らかになった。シャープの元代表取締役社長の片山幹雄氏が副会長を務める日本電産への移籍も目立つ。経営不振が深刻で、若手社員も含めたシャープ離れが進んでいる。
 中山氏はシャープの高橋興三社長と同じ複写機事業の出身。家電製品などの統括を担当し今年6月に顧問になった。ニチコンでは環境、エネルギーや医療といった成長市場を中心としたNECST事業本部の副本部長に就いた。



 シャープの元常務執行役員の広部俊彦氏も12月1日付で日本電産の子会社である日本電産テクノモータの取締役専務執行役員に就任した。広部氏は片山氏が 手掛けた堺工場の運営会社(現、堺ディスプレイプロダクト)社長などを歴任。日本電産にはシャープで液晶テレビの再建を担っていた毛利雅之・元執行役員も 今春転職した。
 日本電産のほか生活用品大手のアイリスオーヤマなどもシャープ出身者を積極採用している。シャープは9月末に希望退職を実施、約3200人が応じた。45歳以上が対象だったが20~30代の退職も目立つ。優秀な人材の流出が続けば経営再建への影響が懸念される。