官民ファンドの「産業革新機構」は、経営再建中の大手電機メーカー「シャープ」を支援するため、分社化する液晶事業に出資し、株式の過半数を取得する方向で監督官庁である経済産業省と調整を進めていることが分かりました。一方、台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」も出資に向けて近く具体的な提案を出す見通しで、調整は大詰めを迎えそうです。
シャープは、採算が悪化している液晶事業について、分社化したうえで新たな出資と人材を受けいれて経営を立て直すことを検討しています。
関係者によりますと官民ファンドの「産業革新機構」はこの分社化する液晶事業に出資し、株式の過半数を取得する方向で、監督官庁である経済産業省と調整を進めていることが分かりました。



シャープの高い液晶技術が海外に流出するのを防ぎ、関連するメーカーが多い日本の液晶産業の競争力を維持するねらいがあるものとみられます。
一方、液晶事業への出資を巡っては台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」も関心を示しています。
関係者によりますとホンハイは近く、出資に向けた具体的な提案をシャープ側に出す見通しで、経営再建を巡る調整は大詰めを迎えそうです。
シャープの経営再建については主力銀行の「みずほ銀行」と「三菱東京UFJ銀行」も金融支援の在り方など経営再建策を模索しており、国や官民ファンド、銀行などとの間で水面下での駆け引きが続いています。
シャープは中国などの景気減速のあおりを受けて主力の液晶事業の採算が悪化していて、ことし3月期の決算で2223億円の最終赤字に陥り、ことし9月末までの中間決算でも836億円の最終赤字と厳しい経営から抜け出すめどがたっていません。