関西学院大学 畠山琢次准教授らは、有機ELディスプレーの消費電力を最大3割減らせる青色発光材料を開発した。ホウ素や窒素、炭素、水素といったありふれた元素でできており、短い工程で合成できる。量産技術を確立し、2~3年後をメドにスマートフォン(スマホ)向けに実用化を目指す。



 開発した材料に電流を流すと分子の中で電子が偏ることで発光する。その際に分子がほとんど変形しないため、ほぼ純粋な青色だけを出す。現在は電 子が多い分子と少ない分子が結合して色を出す方式が主流だが、分子が変形するため青色以外の光も混ざる問題があり、フィルターで不要な光を遮る必要があっ た。

 新技術は光のほぼ全てを活用でき、ディスプレー全体の消費電力を2~3割減らせる。スマホのバッテリーが長持ちしたり、小型にできたりするという。研究チームは今後、緑や赤の発光材料も開発する考えだ。