韓国国内のLCDラインが閉鎖しているのは中国企業の価格攻勢のためだ。中国政府は2010年の第12次5カ年経済計画で4大輸入品に浮上したLCDパネルを国産化するという戦略を発表した。1%未満のディスプレー自給率を2015年に80%に引き上げるために、企業のパネル工場建設に地方政府が資金を支援することにした。

これに伴い、企業は工事資金の10%さえあれば工場の建設が可能になった。中国最大LCD生産企業のBOEは400億元を投資し、世界最大の第10.5世代工場を建設している。このうちBOEの資金は10%の40億元にすぎない。180億元は銀行から借りた。残りの180億元は工場ができる合肥市政府が出資する。



それだけではない。生産を始めれば中国政府は補助金を出す。BOEは2014年、売上高368億元、営業利益23億元だった。さらに8億3000 万元の補助金を受け、27億元の当期純利益を出した。こうした政府の支援を受け、2010年から昨年まで中国にはLCD生産ライン10本が建設された。こ のうち3本のラインは増設中であり、4本のラインは2016-2019年に追加で完工する。

BOE など中国企業が建設したLCDラインはほとんどの第8.5世代だ。ガラス基板のサイズが2200×2500ミリで、55インチのテレビ用大型パネルの生産 に最適化されたところだ。しかし中国企業はここで10-32インチの中小型パネルを生産している。技術が劣り、不良画素が多いため、大型パネルを生産でき ないのだ。このために中小型LCD価格は過去1年間に平均40%ほど落ちた。

サムスンとLGはまだ大型LCD・OLEDで中国企業に優位 だ。しかしこうした優位はいつひっくり返るか分からない。中国も最近、LTPSラインを建設している。関連投資計画は20件を超える。政府レベルで OLEDと大型LCDパネルに投資方向を変えたからだ。中国政府は昨年、「第13次5カ年計画」(2016-2020)でOLEDに投資方向を変更するこ とにした。業界の関係者は「中国がLCD投資に対する審査を難しくし、その代わりにOLED投資を誘導している」と述べた。

またBOEの 第10・5世代工場が稼働する2018年には国内の大型LCDラインも危機に直面する。第10・5世代は65インチ、75インチパネルに最適化されたライ ンで、国内企業が持つ第8世代に比べて価格競争力を持つ。サムスン電子はこれに備えて最近、日本シャープの第10世代ラインを引き受けしようとしたが実現 しなかった。