米アップルは21日、小型で低価格の新型iPhone(アイフォーン)「SE」を発表した。初代アイフォーンの発売以来、右肩上がりだった販売の勢いにも陰りが見える中、新興国や中国市場への浸透で販売の底上げを狙う。

画面は4インチ(10センチ)で旧機種「5C」と同じサイズ。A9チップを採用し、高速通信規格(LTE)速度が向上したほか、電子決済サービス「アップルペイ」に対応する。また、12メガピクセルカメラも搭載する。
価格は399ドルから。色はローズゴールドなど。事前予約の受付は3月24日からで、出荷開始は3月31日。





最上位機種は現在、通信会社との契約なしで649ドルとなっており、SEの価格はこれを大きく下回る。アナリストは450ドルより安い価格設定なら、中堅のライバル勢に競争力で対抗できるとの見方を示していた。

ただ、新型アイフォーンに対する専門家や投資家からの反応はやや低調だ。また、大ヒットにつながるような商品が控えていないことへの懸念も軽減されなかった。

TECHナリシス・リサーチののボブ・オドネル氏は、価格が低目に設定されたものの、需要を大きく押し上げるほどの低価格かどうかは疑問との見方を示した。

ヘネシー・テクノロジー・ファンドのポートフォリオ・マネジャー、スキップ・アイレスウォース氏は、腕時計型端末「アップルウオッチ」のウォッチバンドといった付属品などを提供することで、「販売の勢いを維持するといった戦略に頼っているように見える」と語った。