IHIは有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネルの搬送装置市場に参入する。液晶パネル用ガラス搬送システムで培ったノウハウを応用して、基板の浮上搬送システム、レーザー加工装置、工場内材料搬送システム、自動倉庫など幅広く提案する。有機ELパネルは米アップルが2018年頃発売のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に採用を目指すなど需要が拡大する。日本メーカーではニコンやキヤノンなどが有機EL関連装置で存在感を示している。

IHIは液晶パネル用のガラス基板搬送システムを手がけており、シャープの亀山工場(三重県亀山市)など国内外多数の工場に納入実績を持つ。約20年間の累計受注額は960億円規模で、年内に1000億円に達する見通し。有機ELパネル向けを含め、クリーン搬送装置事業で年間50億―60億円の受注を安定して確保する意向だ。



有機ELパネルの製造では、ロール状に巻いたフィルム基板を再びロール状に巻き戻す途中に成膜などの加工を加え、機能性を持たせるロール・ツー・ ロール方式が主流になるとみている。IHIは、材料特性に合わせたテンション制御技術や蛇行制御技術を取り入れ、搬送時の基板ダメージ回避を目的としたラ ミネーション開発を進める。今後は有機ELパネル向けなどの新規事業の参入に加え「10・5世代」など巨大液晶工場の計画が相次ぐ中国市場を開拓してい く。他社との連携を通じて、搬送以外の周辺装置を総合的に提案し、事業の付加価値を高める方針だ。

米IHSテクノロジーの予測によると有機ELパネル市場は20年に14年比3・2倍の250億ドルに拡大する。これに伴い関連装置の市場も伸びる見通し。現在は日本メーカーが強いが、韓国メーカーも台頭しており競争は激しくなる。