東芝は4月19日、都内のイベントスペースで薄型テレビ“REGZA”(レグザ)の発表会を開催し、レグザ10周年記念モデルの第2弾となる4K対応テレビ「Z700Xシリーズ」および「M500Xシリーズ」を発表した。
東芝の構造改革で薄型テレビ事業の先行きを心配する声もある中、久しぶりの大々的な発表会で健在ぶりをアピールしたかたちだ。
 あいさつに立った東芝ライフスタイルの村沢庄司副社長は、テレビ事業からの撤退を予想した一部報道などが影響して一時期はレグザの販売が低迷したこと、それでも販売活動に注力して今年1月以降は盛り返していることを明らかにした。
その上で、「最近では他社に負けないポジションを保っている。今回の発表会を通じ、今後10年の商品開発と“テレビへの思い”を伝えたい」という。



 会場では、開発中の「8Kレグザ」を参考展示するなど、次の10年を見据えた技術開発の一端も示した。8Kレグザの詳細は今のところ非公開で、サイズを「100インチ前後」(同社)と曖昧にしているのも、正確なインチ数を公開するとパネルの供給元が分かってしまうためだ。そのほかのスペックや製品化の可能性についてもすべて「検討中」とするにとどめている。
 もっとも今回の展示は、「Z700X」に搭載された映像エンジン「REGZA ENGINE HDR PRO」の技術デモンストレーションという意味合いもあった。「8K時代も踏まえて開発した」(という同エンジンを使って実際に8Kパネルを駆動しているわけだ。村沢氏は、「REGZA ENGINE HDR PROで8Kが再現できることは分かった。(8Kテレビの市場投入は)放送やコンテンツの状況を見ながらタイミングを計って市場導入できるようにしたい」と話している。
新製品の「Z700Xシリーズ」は、韓国LGディスプレイと共同開発した4K IPS液晶パネルを採用したことが1つのトピックになっている。レグザのZといえば、数年前までは視野角の広いIPSパネルを使っていることが特徴の1つだったからだ。ここ数年はコントラスト性能の向上に有利なVAパネルを採用してきたが、“IPSのZ”を求める声も多かったという。
 一方、そのLGディスプレイは、民生用の大型有機ELパネルを量産している唯一のメーカーでもある。とくに最近は歩留まりも改善し、LGエレクトロニクス以外のセットメーカーにもパネル供給を開始。パナソニックが欧州向けテレビに採用したことも記憶に新しい。
 では、レグザに有機ELパネルが採用される可能性はあるのだろうか。村沢氏によると「開発している」という。「開発は進めているが、やるからには“レグザのOLED”(=有機EL)として誇れる商品にしなければならない。またビジネス上の判断もある。『価格は高いけど、どうですか?』では意味がない」(同氏)
 商品化の時期や詳細は未定とはいえ、東芝が有機ELテレビの開発を公に認めたのは初めて。東芝の「今後10年の商品開発」から目が離せなくなりそうだ。