米アップルのスマートフォン(スマホ)、iPhoneの減産が長引いている。国内外の部品メーカーによると、1~3月期に続き、4~6月期も前年同期比3割程度の減産を継続する。昨秋発売の主力モデル「iPhone6s/6sプラス」の販売が低調なため。高性能部品を供給する国内メーカーの工場は稼働率が低下しており、収益圧迫につながるのは避けられない状況だ。
アップルは6sシリーズの販売低迷を受け、1~3月期に限定して前年同期比3割程度の減産を実施し在庫調整を進めてきた。だが販売台数が想定通りに伸びていないため、減産期間を延長する方針を部品メーカーに伝えた。



 3月に発売した小型の派生モデル「iPhoneSE」も主力モデルの販売低迷を補うほどの生産台数は計画していないもよう。ただ例年9月に発売してきた主力モデルの発売時期を前倒しすれば、5月下旬ごろには次期モデル向けの部品生産が活発になる可能性がある。

 iPhoneの減産が長引けば液晶パネルを供給するジャパンディスプレイやシャープ、カメラ用画像センサーのソニー、半導体メモリーの東芝といった国内メーカーが影響を受ける。各社の工場稼働率は低下しており、4~6月期の収益見通しの押し下げ要因となる。

 アップルは2013年にも生産調整を実施した。今回の減産幅、期間は13年を上回る見通し。年間15億台が出荷されるスマホの世界市場は成長率が鈍化している。市場を切り開いてきたアップルにも停滞感が漂い始めている。