携帯電話やデジタルカメラ、タブレットPC向けなどが伸び悩むなか、2015年の車載ディスプレー市場は前年比33.6%増の1億1810万枚と驚異的な成長を記録した(IHS調べ)。同年のグローバル自動車出荷台数が前年比微増の約8800万台だったことから、1台あたりに1枚以上が搭載されたことになる。アプリケーションの拡大とともに、今後も搭載枚数が増加していくのは確実で、ディスプレー市場において貴重な成長分野として競争が激しさを増しそうだ。
 現在の車載用ディスプレーでは、センターコンソールに搭載されている7~8インチのセンター・インフォメーション・ディスプレー(CID)が主流だ。一部のミドルクラスや高級車を中心にインストルメント・クラスター(3~4インチ)での搭載も進んでおり、今後の成長を担う大きな牽引役になる。



 パネルメーカー担当者は「自動車メーカーからは、センターコンソールにあるメカニカルな各種スイッチの操作をCIDで一元的に行いたいという要望が多く聞かれる。クラスター向けパネルも大型化がトレンドになっている」と言う。
  一方で、大型化に加えて、デザイン性の観点から、四角いディスプレーではなく、丸みや曲面など自由な形状を実現するディスプレーが今後の差別化ポイントと して重要視される。また、コネクテッドカーの進展によってインターネット環境との常時接続が進み、映し出される情報量はスマートフォンと同等になる。これ により当然、高解像度化も求められる要素だ。