スマートフォン向けの中小型ディスプレーパネル業界に大きな転機が訪れようとしている。米Apple(アップル)がiPhone用ディスプレーを、現在の液晶パネルから有機ELパネル(AMOLED)に切り替える計画を立てていると見られるからだ。この転換は、パネル業界の勢力図を大きく変える可能性がある。有機ELで先行する韓国勢に、ジャパンディスプレイや鴻海・シャープ連合は追いつけるのか。
 iPhoneのディスプレーは、現在のLTPS(低温ポリシリコン)液晶から早ければ2017年、遅くとも2018年からは徐々に有機ELパネルに切り替わっていく可能性が高いとみずほ証券は見ている。2017年に登場する機種は曲面形状やフレキシブルなディスプレーではなく、ポリイミド(PI)基板を使ったフラットな形状の“Unbreakable(割れない)”ディスプレーになる公算が高い。


ジャパンディスプレイは韓国の2社と異なり、有機ELパネルの量産実績はなく、まだ研究開発段階である。現在は石川のG4.5工場で4000枚/月程度の生産能力を持つが、白色有機ELからRGB蒸着(塗り分け)に転換する段階にある。試作ラインは石川ではなく、フレキシブルディスプレーを開発している茂原工場に設置する可能性が高い。投資額は300億~400億円は必要と見られ、稼働は早くても2017年第1四半期になるだろう。
鴻海が投じる資金を使い、シャープはスマートフォン用有機ELパネルの研究開発ラインと試作ライン、および量産ラインに2000億円を投資する計画という。量産ラインの生産能力は5.5型換算で年間9500万枚と述べていることから、基板ベースではG6で5万枚/月程度の生産ラインを構築する計画と見られる。
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