ジャパンディスプレイ(JDI)は、パソコンなどに搭載する中型液晶パネル事業に参入する。得意とする低温ポリシリコン(LTPS)技術を生かし、主にノートパソコン画面の高精細化や高機能化ニーズに応える。
年末にも国内で量産を始める。シャープもコスト競争力に強みを持つ「酸化物半導体(IGZO)」技術で、中型液晶パネル事業を強化している。今後、JDI、シャープの日系勢の競争が激化しそうだ。
JDIはスマートフォン向け液晶事業への依存度が高いことが経営課題。車載向け液晶などと並び中型液晶事業を育成し経営の安定化につなげる。



JDIは10―14インチ程度の中型液晶パネルを製品化する見通し。台湾などのパソコン関連メーカーに提案を始めた。中型液晶は1枚でスマホ向け数枚分の面積があり、工場の稼働率を高めやすい。
ノー トパソコン画面は高精細化が進みつつあり、フルハイビジョン(FHD)やその4倍の解像度を持つ「4K」対応機種なども増えていく見通し。また画面部分を 切り離してタブレット端末のように使える「2イン1」タイプの市場が拡大しており、タッチパネル機能や、液晶の囲いを細くする狭額縁化のニーズが高まって いる。
こうした進化に対応するため、パソコンの液晶技術はアモルファスシリコン(a―Si)から先端のLTPSに移行していく見通し。JDIは先行してスマホ向け液晶でLTPS技術を磨いてきた。同技術を中型液晶の開発や量産に応用してライバルとの競争を優位に進める考え。