宏碁(エイサー)の陳俊聖(ジェイソン・チェン)執行長は2日、本業のパソコン以外に、10月に家庭用ロボット出荷を開始するほか、▽バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)▽高齢者▽スポーツ──を含む4分野を開拓すると述べた。同社は6月末に持ち株会社化し、組織改編を行う予定だ。
2009年にデルを抜き、一時は世界2位に登り詰めたエイサーだが、低迷が続くノートPC市場で競争に敗れ、ニッチ市場の選択を迫られている。3日付経済日報などが報じた。



陳執行長は同日、エイサー本社でのメディアのインタビューで、今後の方針を示した。「721法則」と題し、リソースの70%をPC分野に投じ、残り20%を鍵となる複数の重点分野に投入、10%を将来を見据えた開発に投資すると述べた。
 陳執行長は、既に3つのブルーオーシャン(競争のない未開拓市場)を見つけ、現在の組織構成では新事業に十分対応できないとスピンオフ(分離・独立)の理由を説明した上で、それでもエイサーは一つだと強調した。
 エイサーから2日に通知を受けた取引先によると、同社は6月末までに持ち株会社化し、スピンオフしたPCとクラウド事業を傘下に収める計画だ。
 陳執行長は、10月に家庭用ロボット「Jibo(ジーボ)」の出荷を開始すると表明した。まず米国で発売する。予約販売価格は749米ドル。当面は売上高に大きくは貢献しないとの見方だ。
 「Jibo」は、写真を撮ったり、お話を読み聞かせたり、音声操作で照明の電源を入れたりできる家庭用パートナーロボットだ。ソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」(本体価格19万8000円)や、華碩電脳(ASUS)が先日発表した「Zenbo(ゼンボ)」(599米ドル)のような自立走行はできない。
 エイサーは昨年9月に「Jibo」を開発するマサチューセッツ工科大学(MIT)主導のスタートアップ企業、Jibo,Inc.に出資している。