マサチューセッツ工科大学(MIT)が、世界で最も優秀な企業トップ50を発表した。それによると、中国企業がますます優秀さを増しており、日本や韓国の企業を追い抜いて米企業に追いつきつつある。
2016年版の同ランキングでは、トップ10に中国企業2社が食い込んだ。2位の検索エンジン大手の百度(Baidu)と、10位の華為技術(Huawei)だ。2015年は3社がトップ10入り、2014年は0社だった。

 最新のランキングでトップ10入りしたのは以下の企業。



1.アマゾン(ネット通販、アメリカ)
2.百度(検索サービス、中国)
3.イルミナ(バイオテクノロジー、アメリカ)
4.テスラ(電気自動車、アメリカ)
5.アクイオン・エナジー(蓄電池システム、アメリカ)
6.モービルアイ(運転支援システム、イスラエル)
7.23アンド・ミー(バイオテクノロジー、アメリカ)
8.アルファベット(複合企業、アメリカ)
9.スパーク・セラピューティクス(ヘルスケア、アメリカ)
10.華為技術(通信機器、中国)

百度も華為技術も、革新的な技術や効果的なビジネスモデルの開発を行っている。百度は米カリフォルニア州の研究設計チームの支援を得て、自動運転車の実用化を目指している。華為技術はスマートフォンの世界シェア3位で、低価格市場と高価格市場の両方において消費者の心をつかんでいる。

MITが作成する同リストでの台頭は、ますます多くの中国企業が模倣者から革新者に変身していることを示すものだ。米ビジネス誌ファスト・カンパニーが発表した、2015年度「世界で最も革新的な企業トップ50」ランキングでも、そのことは裏づけられており、中国のネット通販大手アリババがランキング3位に輝いた(2位のアップルと4位のグーグルの間に入った)。同誌ではその理由について「消費者の節約を手助けし、楽しませた」ことを挙げている。

模倣者から革新者への変身は、中国が世界2位の経済大国に台頭したことともつじつまが合っている。日本が1980年代に世界2位の経済大国に台頭した(現在は3位)後も、世界ランキングにおける日本企業の地位は上昇した。

それでも次の二つの理由から、今回のランキングの解釈はきわめて慎重に行うべきだ。まず、ランキングのデータはまだ3年分しかなく、トレンドを確認するには不十分であること。

第二に、現在のランキングは将来のランキングを予測する上で確実な材料にはならないということ。2015年のランキングでは中国のスマートフォンメーカー小米科技(Xiaomi)が2位に入ったが、同社は今年のランキングには見当たらない。アップルは2014年のランキングでは圏外、2015年には16位に入り、今年は再び圏外だ。

今のトレンドが今後も続くのか、あと数年、様子を見た方がいい。