鴻海科技集団(フォックスコン)は6日、シャープのスマートフォン旗艦機種「AQUOS(アクオス)P1」を15日に発売すると発表した。シャープにとって4年ぶりの台湾スマホ市場復帰となる。8月にも東南アジアで発売するほか、中国、インド市場への投入も検討中だ。アクオスP1はシャープのIGZO(酸化物半導体、イグゾー)パネルを搭載。鴻海のシャープ買収決定後、具体的なビジネス再建計画がいよいよ動き出した。7日付蘋果日報などが報じた。

鴻海精密工業の子会社でシャープの代理店を担う康法科技とシャープが、鴻海グループの3C(コンピューター、通信、家電)製品の複合商業施設、三創数位生活園区(台北市中正区)で、アクオスP1発売計画を発表した。



 アクオスP1は本体価格2万900台湾元(約6万5,000円)。指紋認証機能、0.02秒のオートフォーカス(AF)、持っただけで画面が ONになるグリップマジックなど気の利いた操作性で、日本好きな25~35歳の層をターゲットに定める。通信キャリア最大手の中華電信と情報通信機器販売 大手、神脳国際企業(セナオ・インターナショナル)が販売する。

 康法科技の葉順発総経理は、初回は500~800台を入荷し、売り切れればすぐに追加し、売れなければ1~2カ月で値下げすると語った。さらに年内にミドル~ハイエンド機種4~5機種を投入する考えだ。

 葉総経理は、シャープのモバイル型ロボット電話「ロボホン」の台湾と東南アジアの代理店も務めると明かした。現在、中国語ローカライズと人工知能(AI)開発を急いでおり、できるだけ早く、年内にも台湾で発売したいと述べた。

  葉総経理は、シャープブランドは東南アジアでも人気があるため、シャープの現地拠点とスマホ販売を協議すると話した。タイでは6月に既に会議を開いてお り、シンガポールとマレーシアでは人材を探しているところだ。インドネシアは現地生産規定に対応するため、同地での製造を検討する。東南アジアでの販売 は、通信キャリア経由だけでなく、シャープの家電製品の販路にスマホを追加することも考えられる。売れ行きがよければ、シャープ本社に対し、東南アジア向 け製品開発を指示すると語った。

 葉総経理はまた、中国は尖閣諸島(台湾名・釣魚台列嶼)問題を抱え、日本ブランドに対しセンシティブなところがあるが、できれば年末に発売したいと述べた。

 スマホ大手、宏達国際電子(HTC)の董俊良・北アジア地区総経理は、台湾のスマホ市場は既に飽和状態で、シャープが台湾に復帰しても、消費者にとっての選択肢が増えるだけで、大きな影響はないと語った。

 業界関係者は、今年はハイエンドスマホの販売が不振な上、アクオスP1はシャープの特色が十分生かされておらず、第4世代移動通信システム(4G)の全ての周波数帯にも対応していないため、売れるかどうかは分からないと語った。

 スマホに詳しい人物は、シャープは以前、ミドルエンド機種を台数限定で台湾で販売していたが、今回はハイエンド機種で、日本製品の愛好家にとって魅力的だと指摘した。