18zu01有機ELへの傾倒──。中国のディスプレー産業は今、有機ELへの熱い期待で覆われている。「次世代iPhoneへの採用をきっかけに、液晶から有機ELへのパラダイムシフトが起こる」。これが、中国パネルメーカーに共通する見方だ。

 熱気が渦巻く中で、複数の中国メーカーが有機EL新工場を急ピッチで建設している。このうち、中国液晶最大手のBOE Technology Group(京東方科技集団)社が四川省成都市に建設中の有機EL工場を視察する機会を得た。

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同社が有機EL新工場を建設しているのは、成都市の製造子会社Chengdu BOE Optoelectronics Technology(成都京東方光電科技)社の敷地の中。ここに、「第6世代」(G6)と呼ばれる工場を建設している。

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G6は現在のスマートフォン用液晶パネル工場の主流であり、有機ELでもこれと同じG6工場の建設が韓国、日本、中国で進んでいる。

BOE 社が成都市のG6工場を着工したのは2015年5月。当初は、低温多結晶S(i LTPS)TFTを用いた高精細液晶パネルと有機ELパネルの両方を、スマートフォン向けに生産する計画だった。ところが、その後、同社は方針を転換。有 機ELの専用工場に切り替えた。プラスチック基板による、折り曲げ可能なフレキシブル有機ELディスプレーの量産に全力投球する構えである。

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 2020年に市場シェア20~25%を目指す─。BOE社の意気は盛んだ。同社は2020年までに5.5型の有機ELディスプレーを年産9000万~1億枚の規模で量産する計画である。中国国内ではトップの生産能力になるとみている。

 有機EL工場の建設ラッシュによって必要な製造装置の確保が難しくなっているが、BOE社は問題ないとする。特に困難と言われるキヤノントッキ製の真空蒸着装置の納入についても、2015年に契約を結び、必要な台数を確保したという。

BOE 社は成都市に建設中のG6新工場を、2017年第2四半期(2Q)に量産稼働させる計画である。2018年半ばの量産開始を予定するシャープやジャパン ディスプレイ(JDI)に比べて、1年早い目標だ。BOE社はフレキシブル有機ELディスプレーの開発も加速しており、2016年6月の学会「SID」で は折り曲げ可能な試作品を披露している。

 中国でG6工場によってフレキシブル有機ELディスプレーを量産しよう としているのは、BOE社だけではない。中小型パネル専業の中国Tianma Micro-electronics(天馬微電子)社が湖北省武漢市にG6工場を建設中だ。2017年上期に製造装置を搬入し、同年下期に稼働させる計 画。フレキシブル有機ELディスプレーを中心に、月産6万枚(G6基板換算)を製造する予定である。

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 さらに、2018年には、有機EL専業の中国Ever Display Optronics(EDO:和輝光電)社が上海市でG6工場を稼働。同じく2018年に、中国Kunshan Govisionox Optoelectronics(GVO:昆山国顕光電)社がG6工場で有機ELディスプレーを月産3万枚(G6基板換算)の製造計画を立てている。