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 日の丸液晶会社、ジャパンディスプレイ(JDI)が資金繰りに窮している。液晶パネルの販売が振るわず、筆頭株主の産業革新機構に数百億円の金融支援を要請した。JDIが経営破綻すればアベノミクスの失敗の証明になりかねないだけに、実質的に経済産業省の別動隊である革新機構は面倒を見ざるを得ない。JDIはそれを見越している。
 JDI会長兼最高経営責任者(CEO)の本間充氏は8月9日の東京証券取引所での記者会見で、「革新機構から全面支援を取り付けている」と語り、「事業運営に一切懸念はない」と強調した。JDIは本間氏がワンマン体制を敷いている。
4~9月期の売上高は24.3%減の3843億円、営業損益は24億円の赤字を予想している。前年同期は105億円の営業黒字だったから、4~9月期としては2年ぶりの赤字だ。17年3月期の業績予想は「算定が困難」として、また開示しなかった。


「三洋で出世できたのは、井植家3代目の敏雅さん(8代目社長で三洋を事実上潰した張本人)と大学が同じ甲南大学出身だったから。オーナーと同窓ということで可愛がられた。敏雅さんが電池の責任者になったので本間さんはついていった。本間さんは敏雅さんの番頭のような存在だった」(別の三洋の元役員)
 JDIに良い話は皆無だ。日立製作所がJDIの保有株を売却していたことが、定時株主総会後の6月22日に公表された有価証券報告書で明らかになった。JDIは12年に東芝、ソニー、日立の液晶部門が事業統合してできた会社だ。日立は14年3月期に1070万株を保有していたが15年同期に547万株に減らし、15年5月までに全株を市場で売却した。
 JDIは14年の株式上場で1200億円を調達。自己資金は厚く、実質的な無借金会社だが、企業統治がゆるすぎて上場企業の体をなしていない。本間氏が経営責任を取り、一から出直すぐらいの覚悟が必要だ。
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