new sharp ceo
戴正呉(たい・せいご)新社長は8月22日、全社員に「早期黒字化を実現し、輝けるグローバルブランドを目指す」と題したメッセージを出し、経営方針を明らかにした。メディアにも全文公開するという異例の対応で、非情な覚悟がうかがえる。
戴社長は、鴻海の出資を「買収ではなく投資」「シャープは引き続き独立した企業」とシャープの独立性を強調。「誠意と創意」を掲げた創業の精神については、「引き続き根幹となるもの」とするなど、全体にシャープを気遣う記述が目立った。


こうした一連の“アメ”は、これ以上の人材流出を防ぐ狙いもありそうだ。経営危機を受け、シャープからは日本電産やパナソニックなど、電機各社への移籍が相次いだ。取締役経験者ら幹部級も多く流出している。あるシャープの男性社員は「パナソニックでは元シャープ社員のグループができているそうです。僕は乗り遅れたんですけどね」と寂しそうに明かす。
 鴻海による「コントロール」の意思は、戴社長のメッセージの中のコストカットに対する考え方からわかる。戴社長は「事業所を訪問した際、現場にはコスト削減の余地が多数ありました」と現場で見たままを強調し、リストラへの強い意欲をうかがわせている。シャープは特に液晶の素材の仕入れ値が高く、利益を圧迫する要因となっている。
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