BOE LCD Plants台湾紙『経済日報』は2016年8月23日付で、パネル大手の中国BOE(京東方)が液晶(LCD)のスマートフォン用パネルから完全撤退を決めたと報じていた。
一方で、中小型のフレキシブル有機EL(OLED)については17年に本格参入するとの報道。
BOEがスマホ用の液晶パネルから撤退する理由について、経済日報の伝えた調査会社WitsViewの邱宇彬アシスタントマネジャーは、テレビ(TV)用パネルの価格が最近になって大幅に上昇しているためだと指摘。
利益確保に向けBOEがTV用パネルの生産能力を大幅に拡張する一方で、携帯電話用の生産から全面撤退すると述べた。
さら邱氏は、BOEの撤退により、中国系パネルモジュール各社が、中小型パネルの台湾HannStar(彩晶)、台湾CPT(華映)からの調達を拡大していると指摘。



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これによりHannStarとCPTでは携帯電話用パネルの供給がひっ迫していると語った。
表面的には利益を追求する会社方針を述べているようだが、結局は中小型液晶では競争力が確保できなかったということになる。
TV用パネルはコモディティとなっており技術難易度も低い。一方中小型液晶はより難易度の高いLTPSへ移行している。BOEでこの事業を放棄するということは量産技術力が不足していたとも考えられる。
 一方で同紙は、BOEが先ごろ中国四川省成都に設立した第6世代工場のプロジェクト2期で、中小型のフレキシブルアクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)パネルを17年に本格投入することを明らかにしたと伝えている。
LTPSでさえ満足な技術力・競争力が無いという推定を是としたら、より高度なフレキシブルアクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)など遠い彼方にある技術といえる。