シャープが2017年3月期の連結営業損益が400億円程度の黒字(前期は1619億円の赤字)になると計画していることが分かった。営業黒字は14年3月期以来、3年ぶり。不振だった北米テレビ事業からの撤退、従業員の大幅削減の効果が出る。同社を買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の主導でコスト削減も進める。
 今期の業績予想を開示していないが、収益目標を主取引金融機関に示して経営再建への協力を求めたもようだ。最終損益は3年連続の赤字となる見通しだが、赤字幅は前期の2559億円から400億円前後への縮小を目指す。



 16年4~9月期の連結営業損益は前年同期の251億円の赤字より改善したもようだ。ただリストラの効果が大きく、主力の液晶パネルなどの販売苦戦はなお続いている。通期の売上高は前期比2割減の2兆円程度に落ち込む見通し。2兆円を下回れば、02年3月期以来15年ぶりの大台割れとなる。
 同社は液晶への過剰投資が重荷となり、経営危機に見舞われた。昨夏に3千人強の希望退職者を募集し、国内従業員を1割以上減らすリストラを進めた。今年8月に鴻海による出資が完了してからは、調達先の見直しなど大幅なコスト削減を進めている。
 鴻海から迎え入れた戴正呉社長は9月に「17年3月期の下期は営業黒字を目指す」とした内容のメッセージを社員向けに出した。