シャープは1日、未公表だった2017年3月期の連結業績予想を公表した。営業損益は257億円の黒字予想とした。前年度は1619億円の赤字。今年8月に同社を買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループとの相乗効果などが寄与するとしている。通期営業黒字なら3年ぶりとなる。

液晶ディスプレーの販売減などで通期売上高は前年比18.8%減の2兆円の見込み。減収だが、継続的な構造改革の取り組みも寄与する。純損益は418億円の赤字(前年実績は2559億円の赤字)と予想している。

16年4─9月期連結業績は売上高が前年同期比28.1%減の9196億円、営業損益が7900万円の黒字(前年同期は251億円の赤字)、純損益が454億円の赤字(同836億円の赤字)だった。

上期でほぼ収支トントンだった営業損益は下期で256億円の黒字を見込む。コスト削減や製品構成の改善で385億円、このうち鴻海との相乗効果を99億円と見込む。

鴻海から派遣され8月に社長に就任した戴正呉氏が都内で記者会見を行った。戴社長は「鴻海は世界一のEMS(電子機器受託製造サービス)。調達や部材のボリュームが大きく物流コストが低い」と強調。白物家電やテレビで上期に20億円の削減効果を生み、今後は液晶ディスプレーや太陽光パネル事業にも同様の効果を波及させると説明した。

来年4月をめどに中期経営改革を発表する意向も示した。