Panasonic PDP 5パナソニックが、テレビ用部品の購買(調達)を担う社員90人超に対し、降格などの懲戒処分を一斉に出していたことが4日、わかった。同社は社内規定で、調達部門の社員が取引先から接待を受けることを原則として禁じている。処分を受けた社員らは過去5年間、のべ2千回以上の接待を受けていたという。

 関係者によると、2012年ごろから16年秋にかけて、部品の調達部門の社員らが中国など海外に出張した際、同社に部品を納める複数のメーカー担当者らからのべ2千回以上、飲食などの接待を受けていたという。

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 最近になって発覚し、同社が担当部署などに聞き取り調査したところ、こうした接待の事実が判明。1日付で処分に踏み切った。対象者はテレビ用部品の調達部署の70人強を中心に複数の部門にわたる。約5人が降格となったほか、30人前後が出勤停止、50人前後が譴責(けんせき)となった。

同社は、法令や社会規範を守る姿勢を強化する一環で、04年に「クリーン調達宣言」を定めた。納入業者との間で不透明な取引が生じることを防ぐため、調達部門の社員は接待に限らず、会費制でも取引先と飲食やゴルフをすることなどを禁じている。

 同社の広報担当者は朝日新聞の取材に対し、「調達に関係する複数の従業員が、海外で取引先から過度な接待を受けていたことが判明した。就業規則にのっとり、厳正に処分した。取引先への便宜供与をしたといった不正は見つかっていない」と話している。社内規定の違反にとどまるとの理由で、詳細を公表する予定はないという。