政府系ファンドの産業革新機構が、経営不振が続く中小型液晶パネル大手「ジャパンディスプレイ(JDI)」に500億円規模の金融支援をする方向で最終調整に入った。JDIが通常より返済順位が低い劣後債を発行し、革新機構が引き受ける案を軸に検討している。早ければ月内にも正式決定する。

 2年連続で決算の純損益が赤字に陥ったJDIは、今後の成長に必要な資金を自力で調達することが難しくなっている。革新機構の支援強化で信用力を高める狙いがある。

 JDIは、この支援をてこに銀行側から長期融資を引き出したい考えだ。成長分野の有機ELや車載向け液晶パネルへの投資に振り向ける方向で事業計画づくりを急いでいる。

 日立製作所、ソニー、東芝の液晶事業を政府主導で統合したJDIは、革新機構も2千億円を出資して2012年に誕生した「日の丸連合」だ。革新機構は14年の上場時に持ち株の約半分を売却したが、いまも約36%の株式を持つ筆頭株主になっている。