中国のスマートフォン(スマホ)市場の成長企業と言えば「小米(シャオミ、Xiaomi)」――。変化の早い中国では、こんな“常識”はもはや過去のものになってしまった。一時期、創業者が「中国のスティーブ・ジョブズ」などとメディアでもてはやされた小米に代わって今、スマホ市場の“風雲児”と見られているのがLeEco(楽視網信息技術、読みは「ルイコ」、以前の英文名はLeTV)である。
2016年10月19日、LeEcoは米国市場への参入を宣言した。米国の発表会に登壇した同社の幹部は、innovative(創造的な)ではなく「disruptive(破壊的な)」というよりインパクトが強い言葉を連呼、中国での急成長の勢いそのままにアグレッシブな姿勢を見せた。


LeEcoが急成長している理由は明快だ。製品のコストパフォーマンスが非常に高いからだ。例えば売れ筋のスマホ「楽 Max 2」。5.7型で2560×1440画素の液晶パネルを搭載したハイエンド機で、かつコンテンツの品ぞろえが他社に劣らない動画配信サービスが1年付いてわずか1697元(約2万6000円、NANDフラッシュメモリー容量が32Gバイトの場合)である。
LeEcoは高品質のハードウエアを低価格で販売して急成長しているわけだが、利益は出ているのだろうか――。実は、販売コスト割れを起こしている。それどころか同社は、「スマホは数百元のBOM(部材)コスト割れ」と公言している。
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