パナソニックは、基板の上に印刷するだけで簡単に作製でき、折り曲げられる次世代の薄型太陽電池の実用化にめどをつけた。最大の壁となっていた耐久性の問題を克服し、2~3年の連続使用を可能にした。スタジアムの屋根のような曲面にも貼れ、ウエアラブル機器や屋外で使うセンサーの電源にも利用できる。太陽電池の新たな用途が開けるとみて、製品化につなげる。

 開発したのは、「ペロブスカイト型」と呼ぶ太陽電池だ。有機系の原料を印刷の要領で刷るだけで作製でき、製造コストが安い。薄く柔らかいのでスタジアムのドーム型の屋根や曲がった壁にも貼れ、ウエアラブル機器にもフィットする。窓ガラスに貼っても光を通す。インフラの安全監視などのための屋外センサーの電源にも有望とみられる。



 ペロブスカイト型太陽電池は、これまで課題とされていた発電効率が近年急速に向上し、主流のシリコン電池に近づいている。ただ耐久性がなく、数時間から数日で性能が落ちてしまうことが応用の壁となっており、大学での研究開発にとどまっていた。

 パナソニックは、スイスの連邦工科大学ローザンヌ校と共同で、光を受けて電気を作る発電層を改良した。従来の原料に金属のルビジウムを加えることで欠陥が少ないきれいな結晶を作れることを見いだし、耐久性を格段に向上した。製造コストは従来と変わらないという。

 4ミリ角の電池を試作したところ、発電効率は21.6%。現在主流のシリコン太陽電池の記録には4.7ポイント及ばないが、ペロブスカイト型ではトップクラスだ。

 耐久性試験の標準的手法であるセ氏85度、湿度85%の過酷な環境で連続発電し、3週間たっても性能が落ちないことを確かめた。通常の環境なら2~3年使用できる見通しだ。

 今後は、高い性能を保ちつつ大型化する研究を進める。耐久性もさらに向上し、長寿命の新型太陽電池の実現につなげる。