低コストで高効率な次世代の太陽電池として期待されている「ペロブスカイト太陽電池」について、欠点である耐熱性を大幅に向上させることに成功したと、県立大大学院の伊藤省吾准教授(材料工学)らの研究チームが22日、発表した。100度の熱を加えた状態で2600時間の耐久性を世界で初めて実証したという。伊藤准教授は「実用化に向けた一歩になる」としている。  

チームは東大や桐蔭横浜大の教授らと合同で、約2センチ四方のペロブスカイト太陽電池を使い、高温下での実験を実施。電極部分に従来の金の代わりにカーボンを用いることで、耐熱性とともにコスト面でも性能を大幅に向上させたという。



 ペロブスカイト太陽電池は、鉱石の一種である灰チタン石(ペロブスカイト)と同じ構造を持つ結晶を材料に用いた太陽電池。現在普及しているシリコンを使った太陽電池より低コストでの量産が可能な上、薄くて軽い特長も持つ。光を電気エネルギーとする変換効率もシリコン太陽電池に迫る20%に到達した実験成果があり、次世代の太陽電池として研究が進められている。  

カーボンを使用した場合、変換効率が5%にとどまるという課題も残ったが、伊藤准教授は「まずは耐熱性を確保することが実用化への近道。実験を重ねることで、変換効率を向上させるための方法を突き止めたい」と話している。