量子ドットフィルム日立化成は26日、液晶ディスプレーの光学フィルムに使われる量子ドットフィルムの量産・販売を始めると発表した。消費電力を増やさずに、液晶ディスプレーが表現できる色の範囲を広げられる。
量子ドット最大手の米ナノシス(カリフォルニア州)から12月に量子ドットによるフィルム化技術を導入し、日立化成の樹脂組成技術と組み合わせて早期に量産体制を敷いた。中国、韓国などを中心に市場開拓する。

2012年に4Kや8Kなど高精細テレビ向けの色域規格「BT・2020」が制定されたことを受け、足元では同規格に対応した広色域のディスプレー開発が加速している。



ただ、従来の液晶ディスプレーでカラーフィルターを改良すると液晶ディスプレーの明るさが低下することから、バックライトを明るくするために消費電力が増す課題があった。
 日立化成は量子ドットフィルムを使い、従来の液晶ディスプレーでは難しかった「BT・2020」規格の90%以上を達成。液晶ディスプレーで、より鮮やかな画像を表示できるようにした。液晶ディスプレーメーカーは量子ドットフィルムを他の光学フィルムや基板の積層と同時に組み込めるため、新たな設備導入が不要という。
 量子ドットは半導体微結晶から成る数ナノ―10数ナノメートル(ナノは10億分の1)の粒子で、成分やサイズを制御することで光の波長を調整できる。
4Kテレビの世界市場は16年に約4000万台に達しており、20年までに8000万台以上に成長すると見込まれている。