米ラスベガスで開催中の世界最大の家電・IT見本市「CES」の展示を巡り、パナソニックとソニーの幹部がさや当てを演じる場面があった。ライバルとして比較されることが多かった両社だけに、事業の方向性が異なってきた今も、互いを相当意識しているようだ。

 パナソニックの津賀一宏社長は6日の記者会見でCESの印象を聞かれると、「サムスンやLG、ソニーの展示はコネクトというより、過去のテレビを中心にコンシューマー(消費者向け)の世界に戻ろうというトーンが強い。我々は先祖返りはしない」と断言、ソニーなどがテレビを大々的に展示していることを皮肉った。



 パナソニックは昨年、テレビの液晶パネル生産から撤退。今回のCESでも、自動車の自動運転システムなど企業向けビジネスに重点を置いており、津賀氏は「もはや単なるテレビメーカーではない。企業向けにシフトし、お客様の暮らし全体を進化させる方向に進む」と意気込んでみせた。

 一方のソニー。この発言が伝わると、テレビ事業を担当する高木一郎執行役は記者会見で「ソニーはテレビをやっているので、テレビの展示をします」と述べ、ぶぜんとした表情を浮かべた。長年の不振を解消して黒字化を果たし、収益事業として強化する方針を打ち出していただけに、冷や水を浴びせられた形だ。

 ソニーは10年ぶりの有機ELテレビを投入。スピーカーではなく、画面を振動させて音声を出し、臨場感を高める技術を採用した。高木氏は「もっと高品位な方式があれば切り替えていく」と述べ、果敢に技術開発を進める考えを示した。