画像が鮮明な有機ELテレビの店頭価格が下がっている。人気サイズの最新型は半年前の発売時に比べて3割安くなり、液晶テレビとの価格差が縮まった。生産量の増加で部材コストが低下しており、「高値」の花だった有機ELテレビが普及期に入りつつある。
有機ELテレビで売れ筋の55型は現在、韓国LG電子の最新モデル「OLED55B6P」が東京や大阪の家電量販店で30万円前後(税別)。2016年6月の発売時に比べて33%値下がりした。

 有機ELテレビ市場をほぼ独占するLGが日本で販売を始めた15年5月当時、55型は62万円前後だった。2年足らずで価格水準は半値程度に下がった。



 大幅な値下がりの背景には、有機ELテレビが量産期に入り基幹部品のパネルなど部材価格が下がったことがある。英調査会社のIHSテクノロジーによると、55型有機ELパネルの出荷価格は16年10~12月期で約710ドルと過去2年間でほぼ半値となった。

 LGに続き、3月上旬には東芝が55型の有機ELテレビを国内で発売する。4月にはパナソニック、今夏以降にはソニーも新製品を投入するなど国内メーカーの参入も増えており、量産効果で部材コストは一段と低下する可能性が高い。



 薄型テレビの主流である液晶との価格差も縮まっている。LGの最新モデルとほぼ同時期に発売されたソニー「KJ―55X8500D」の店頭価格は20万円前後(同)。発売当時はLGの有機ELの方が15万円高かったが、現在の価格差は10万円に縮まった。

 家電量販店は「価格が液晶テレビに近づき、有機ELの購入者は増えている。国内メーカー製の登場で市場は活性化しそうだ」(東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkiba)とみている。

 有機ELテレビは内蔵素子が自ら発光するしくみで、液晶に比べて黒色表示に優れ、明暗をくっきり再現できる。これまで大型のパネルは製造コストが高く、テレビ市場に占めるシェアは金額ベースで1%程度にとどまっていた。

 パネルメーカーは製造コストを一段と下げるため、発光材料をパネルに付着する方式を改良するなど研究開発を進めている。