水俣病の原因企業チッソが10日発表した2016年4~12月期連結決算は、製品の値下げや水俣病の補償関連の損失が響き、最終損益が11億円の赤字(前年同期は42億円の黒字)に転落した。売上高は前年同期比12.4%減の1127億円だった。
 主力の液晶事業は中国での販売が伸びたが、液晶パネルの材料など製品の価格が下がり、円高の影響も受けた。  水俣病の補償関連の特別損失は27億円で、このうち被害者に支払った「救済一時金」は1400万円。熊本地震や大雨の影響で保有する水力発電所の一部が運転を停止するなど、災害による損失は7億8千万円だった。