グーグルは28日、米国で地上波などのテレビ番組をインターネットで配信する有料サービス「ユーチューブTV」を始めると発表した。月額35ドル(約3900円)で40チャンネル以上の番組をスマートフォン(スマホ)やタブレットなど端末を問わずに視聴できる。

同様のサービスは米AT&Tやソニーなどが先行しているが、毎月10億人以上が利用するユーチューブの参入で競争が激しくなりそうだ。 数カ月以内に始める。1契約で最大6人が同時に利用でき、グーグルの巨大なクラウドインフラを活用した容量無制限の録画機能も付く。米国以外での展開は未定。



 視聴できるのはABC、CBS、NBC、FOXの4大ネットワークのほか、スポーツのESPN、ドラマのUSAネットワークなどの専門チャンネル。CNNやディスカバリーチャンネルなど一部の有力チャンネルは含まれていない。

 グーグルは2015年から月額10ドルでオリジナルドラマなどを視聴できる「ユーチューブ・レッド」を提供している。「ユーチューバー」と呼ばれる人気クリエーターを起用したコンテンツは一定の評価を得ているが、根強い人気を持つスポーツ中継やニュースなどのテレビチャンネルを加えることで有料サービスの加入者拡大を図る。

 米国では100以上のテレビチャンネルをセットにしたCATVや衛星放送サービスを解約する「コードカッター」と呼ばれる消費者や、伝統的な有料テレビサービスには見向きもせず、ユーチューブやネットフリックスを主に利用する「コードネバー」と呼ばれる消費者が増えている。

 有料テレビ各社は対策として、チャンネル数を減らしてセット料金を抑えたり、スマホなどモバイル端末への対応を急いだりしている。グーグルが新たに参入する有料のネットTVサービスには、AT&Tの「ディレクTVナウ」やソニーの「プレイステーション ヴュー(PS Vue)」、米ディッシュ・ネットワークの「スリングTV」などがある。米アマゾン・ドット・コムも同様のサービスを検討しているという。