住友化学は有機ELディスプレーを搭載するスマートフォン(スマホ)向けに、曲げられるタッチパネルを増産する。韓国の工場で設備を増強。2018年初めまでに生産能力を3倍に増やし、年1億台強のスマホに供給可能にする。
スマホでの有機ELの採用は韓国サムスン電子が先行するほか米アップルも計画しており需要が見込めると判断した。
  住友化学は有機ELスマホのタッチパネルで6~7割の世界シェアを握る最大手。今回は柔らかいフィルムの上に回路を描いて指の反応を検知する方式のタッチパネルを増産し、ディスプレーメーカーに供給する。ガラスを使う方式と比べて軽いため生産工程で扱いやすく、曲面のあるデザインの有機ELスマホを作りやすくなる。



 韓国西部の平沢市にある液晶部材の製造ラインを造り替えて、有機ELディスプレー向けタッチパネルを生産できるようにする。投資額は150億円程度のもよう。住友化学はガラスを使うタッチパネルも製造しており、合計約4億台のスマホに供給可能になる。大口顧客である韓国企業のほか、これから参入する中国勢への供給も増やす。

 米調査会社のIHSテクノロジーによれば、16年に約3億5千万枚だったスマホ向け有機ELディスプレーの出荷枚数は20年に7億枚を超える見通しだ。20年にはスマホの3割強が有機ELの搭載機種になるとされる。
 有機ELスマホの市場拡大をにらみ、日本の素材各社は関連部材の増産に動いている。

 出光興産は青や赤、緑に発光する基幹材料の増産を決定。韓国の工場に数億円を投じて、今年9月までに生産能力を従来の4割増にあたる年10トンに引き上げる。世界需要の約3分の1を供給できるようにして、世界大手の独メルクなどと競う。  新日鉄住金化学は16年末までに九州製造所(北九州市)で、緑色の発光材料の生産能力を3倍に増やした。