sdp_2鴻海精密工業傘下、堺ディスプレイプロダクト(SDP)が広東省広州市で第10.5世代パネル工場に着工し、日中韓7社による超大型パネル生産競争の火ぶたが切られた。

京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)、深圳市華星光電技術(CSOT)も既に10.5世代工場に着工しており、2019年以降、中国での生産能力の世界市場シェアが40%を超える見通しだ。

一方、中国への投資規制が厳しいため、台湾の大手、友達光電(AUO)や群創光電(イノラックス)は影を潜めており、液晶パネル業界の勢力図が書き換えられそうだ。



保存保存
中国では、SDPの広州10.5世代工場が19年第3四半期に稼働予定だ。月産能力は3万枚(ガラス基板投入枚数)。BOEは18年第1四半期に安徽省合肥市で10.5世代工場(月産能力12万枚)を、CSOTは19年第1四半期に広東省深圳市で10.5世代工場(月産能力7万枚)を稼働予定だ。これらだけで、月産能力は22万枚増える。
中国での大型パネル生産能力(面積ベース)の世界市場シェアは▽15年、20.1%▽16年、25.9%▽17年、29.9%▽18年、34.2%──とハイペースで拡大し、19年に40%に達し、20年44%、21年46.1%と、過半に近づく予測だ。

 このほか、深圳の恵科電子(HKC)が雲南省昆明市政府と10.5世代工場の提携意向書を交わしたとされるが、生産ラインを設置する可能性は高くないようだ。恵科集団の王智勇総裁は、「10.5世代工場建設は将来の発展の方向」とのみ述べている。

 韓国では、サムスンディスプレイ(SDC)が19年に10.5世代工場を稼働予定で、生産能力は不明。LGディスプレイ(LGD)が19年第1四半期に10.5世代工場を稼働予定で、月産能力は4万5,000枚の計画だ。ただし、まだ着工に至っていない。

 中国での3社と韓国LGDを合わせると、18年以降に月産能力が26万5,000枚増える計算だ。SDPが09年第3四半期より稼働している大阪府堺市の10世代工場の月産能力は10万8,000枚のため、世界の超大型パネル工場の生産能力は3倍以上に拡大することになる。

 超大型工場は、露光装置を提供できるメーカーが現時点でニコン1社のみに限られるなど、生産設備や部品の調達が課題だ。

 現在最も大きい10.5世代、11世代のガラス基板の生産実績があるのはコーニングと旭硝子だけだ。両社は輸送が困難なため、それぞれBOE、CSOT向けに中国に工場を建設するとされる。

 なお、10.5世代、11世代のガラス基板サイズは8.5世代の1.8倍で、利用率は95%と高く、65インチのテレビ用パネル8枚、75インチ6枚が切り出せる。これにより、20年には65インチ、75インチのテレビ用パネル生産量が4倍に増え、消費者は今より安い価格で超大型テレビを購入できる見通しだ。

 ただ業界関係者は、テレビの平均サイズが21年に52インチ以上にまで拡大しない限り、増え続ける生産能力を消化できないと指摘した。毎年3インチの拡大が必要だが、現在は1.5~2インチのペースのため、このままではパネル市場が供給過剰に陥ることになる。