次世代スマートフォン(スマホ)用ディスプレーの本命として期待される有機ELディスプレー。韓国や中国のディスプレーメーカーが新工場や新ラインの建設計画を相次いで具体化させており、調査会社の予測では、2020年に現在主流のLTPS(低温ポリシリコン)TFT液晶を搭載率で上回り、スマホに最も搭載されるディスプレーになる可能性があるとされている。
その有機ELディスプレーの高精細化・高解像度化を担うのが、RGB発光材料の蒸着工程に不可欠な蒸着用メタルマスクだ。


スマホ用有機ELの解像度は現在、5.5インチクラスで400ppi程度であり、同サイズのLTPSに遠く及ばないが、「3D用に1000ppi、VR(仮想現実)端末用に2000ppiがほしいという要望があると聞いている」(ディスプレー部材メーカー担当者)といい、現在のところ3つの方式で製造されるメタルマスクが開発競争にしのぎを削っている。その3方式とは、(1)エッチング、(2)電鋳、(3)ハイブリッドである。
調査会社IHS Markitは、有機EL用ファインメタルマスク市場が16年の2億500万ドルから19年には8億200万ドルへ4倍に拡大すると予測している。ディスプレー各社が今後数年間で有機ELの生産能力を大幅に拡大すると目されるためで、特に18年以降に6G用マスクの需要増が市場拡大の牽引役になるという。同社の調べによると、16年末時点ではサムスンディスプレー向けがマスク市場の大部分を占めているが、19年にはサムスン以外のパネルメーカーがマスク市場の1/3を構成するようになると予測している。
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