液晶は、画素そのものではなく、LEDバックライトなどの別の光源からカラーフィルターを通して色を作り出すため、黒の表示が難しい。バックライトの光が漏れて黒が白く浮いてしまう「黒浮き」と呼ばれる現象は、液晶方式ならではの課題だ。映像にあわせてバックライトをコントロールする技術もあるものの、黒色の表現力においては、有機EL方式に優位性がある。
明るすぎる店頭で液晶と有機ELを比べると、液晶のほうが元気があるように見えるはず。また、明るい環境では、目の瞳孔が閉じてしまうため有機ELの良さである暗闇の中の色や光の表現がわかりにくく、また液晶の弱点である“黒浮き”も目立たない。
自宅の照度を把握しておくことは、こだわりのテレビ選びには重要なポイントだ。仮に「部屋は明るいが、有機ELテレビが欲しい」という人であれば、部屋の照明を変えたり、テレビを見る時の環境を工夫するといったことを考えてもいいかもしれない。
 店頭では液晶の迫力が魅力的に映るかもしれないが、実際に有機ELテレビを設置してみると、おそらく、明るさに問題は感じないだろう。特にプラズマや5年以上前のテレビからの買い替えであれば、明るく感じるかもしれない。  また、有機ELテレビを設置して驚かされるのは、本当に画面が“漆黒”ということ。真っ暗な部屋で電源を入れると、普通の液晶であればうっすらと画面の輪郭が浮き出てくる。
Move to full article