「仲間に入れてほしい」。1月18日、栃木県にある東芝メディカルシステムズ本社。同社を昨年末に買収したキヤノンの御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)は、約400人の幹部を前に力を込めた。
買収先への丁寧な対応は、相乗効果を重視している表れだ。4月に入りキヤノンは医療事業を「本部」に格上げし、本部長に東芝メディカルの滝口登志夫社長を就けた。同氏はキヤノンの役員も兼務。買収先のトップをすぐ役員に抜てきするのは異例の待遇だ。


 キヤノンにとって新規事業の育成は課題だ。カメラや事務機市場の成熟に対応するため、M&A(合併・買収)を相次いで仕掛けた。2010年の商業印刷機のオセや15年の監視カメラのアクシスコミュニケーションズ。6655億円を投じた東芝メディカルを含め、総額は1兆円を超える。
新潟県のキヤノントッキ本社には世界の名だたるディスプレーメーカーの幹部が相次ぎ訪れる。07年に傘下に入ったトッキは、有機ELディスプレーの製造に欠かせない「真空蒸着装置」でシェア1位。有機ELブームで需要が急拡大する中で今年も生産能力を倍増させる計画だ。
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