terry gao鴻海精密工業が華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)など8社と連携して中国・湖南省衡陽市に米アマゾン・ドット・コム向けの大型製造拠点を設置するもようだ。鴻海は今後成長が期待できるアマゾンのスマートホーム製品の需要拡大に対応するとともに、非アップル向け事業の拡大も図る。28日付経済日報が報じた。

 中国地方メディアは、同製造センターの投資総額は60億人民元(約970億円)と予想。これに対し鴻海は、投資総額は董事会で決定すると説明し、具体的な金額は明かさなかった。アマゾン向け製造センター設置については、今月22日に衡陽市と覚書を交わしている。



 鴻海は年内にスマート音響製品とタブレット端末の生産ライン30本、スマートフォンとタブレット端末用マザーボードの生産ライン15本を設置するとみられる。うちスマート音響製品のラインでは音声アシスタント端末「アマゾン・エコー」を製造するもようだ。

 「アマゾン・エコー」は、アマゾンが2014年に発売した製品で、これまでに全世界で1,000万台 販売された。鴻海と仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)が組み立てを手掛けているとされる。

 「アマゾン・エコー」は人工知能(AI)を搭載しており、既存のスマート家電と組み合わせることで、照明の音声によるオンオフ切り替えなど、自宅を簡単にモノのインターネット(IoT)化できる。これまでにない新鮮さと便利さで話題を呼んでおり、今後1~2年は販売が拡大するとみられている。業界関係者は、17年出荷台数は前年実績300万~400万台の2倍に達すると予測しており、鴻海の非アップル向け製品の生産割合引き上げに貢献しそうだ。

 鴻海は、タブレット端末「キンドル」を07年に受注して以降、アマゾンとの協力関係を深化させている。これまでにクラウド用サーバー、自動化ロボットの分野で提携したほか、12年にはスマートフォンの共同開発を行っている。