パナソニックは10日、高音質のサウンドシステムを搭載した4Kの有機ELテレビを6月16日に国内で発売すると発表した。同社が国内向けに販売する初の有機ELテレビとなる。音にもこだわり、同社の高級オーディオブランド「テクニクス」の音響技術を初めてテレビに採用した。
筒井俊治・アプライアンス社テレビ事業部長は大阪市内で開いた発表会で「他社にはまねのできない臨場感あふれる有機ELテレビだ」と強調した。国内ではソニーや東芝の参入が相次ぎ、韓国LG電子の新シリーズなども目白押しだ。パナソニックが続くことで、国内における「有機ELテレビ元年」の本格的な幕開けとなりそうだ。



 パナソニックは、同日発表した2シリーズ3機種の有機ELテレビのうち、テクニクスの音響技術を採用した「TH―65EZ1000」をフラッグシップモデルに位置づけた。65型で店頭想定価格は税別90万円前後。月産は300台で、3機種全体では月産1550台を予定している。AVマニアのほか、自宅で映画を最高画質で楽しみたい人などをターゲットにする。

 有機ELパネルは自らが発光し、高画質と省エネを両立するとされる。発色の原理はパナソニックがかつて手掛け、撤退したプラズマテレビに似ているため、当時テレビを購入し、プラズマテレビ特有の発色を好むユーザーの買い替え需要も取り込む考えだ。

 技術面でもプラズマの遺産を生かした。プラズマテレビ向けの画質処理技術を応用してコントラスト(明暗比)の高いくっきりした色を出せるようにした。また、1960年代から手掛けてきたオーディオブランド「テクニクス」の音響技術を採用し、映像と音に自社技術を惜しみなくつぎ込んだ。

 パナソニックは、有機ELテレビを同社のテレビのブランドをけん引する「ブランドドライブ」と位置づける。2020年にはパナソニックの全世界でのテレビの売上高のうち有機ELテレビの占める割合を5%に引き上げる。さらに、パナソニックは20年をめどに国内のテレビ市場で現在の2位からトップシェアを目指す。液晶と有機ELテレビを合わせて現在20%台のシェアを30%まで高める考えだ。

 有機ELテレビは、基幹部品の有機ELパネルの生産を韓国LGディスプレーが各社に独占的に供給している状況。パネルで他社との違いを打ち出しにくい分、映像や音響の技術を磨く動きが盛んになっている。ソニーは独自の映像処理装置を搭載し、画面全体が震えて音を出す特殊なスピーカー技術を採用。東芝も人工知能(AI)を使い、映像の種類に合わせて画質を調整する。