ソニーの吉田憲一郎副社長は最近の実績発表でことしを「ソニー復活の年」と宣言した。一時は革新の代名詞であり日本電子機器産業のアイコンだったソニーだったが、レッドオーシャンから抜け出せないまま破産危機まで心配された。だが、2011年から事業を再編して大胆な構造調整を断行した。

  ソニーは今年3月の昨年度連結業績で2887億円の営業利益を出した。ソニーのこのような復活をけん引したのはゲーム事業と金融事業だった。だが、イメージセンサーも同社の稼ぎ頭として急成長を遂げている。既存のスマートフォン用イメージセンサーはもちろん、2014年に開発した自動車カメラ用イメージセンサーが注目されている。スマートフォン用イメージセンサーはスマートフォンメーカーが公開しているデュアルカメラに装着されて光を放っている。自動車用イメージセンサーは従来のものに比べて感度が10倍も高く、まっ暗なところでも事物をしっかりと認識する。ソニーは2020年までに企業比率を最大20%まで伸ばしていく考えだ。

  パナソニックもソニーのように部品で勝負をかけている。自動車用カメラセンサーと超音波センサー市場に参入した。自動車部品産業の核心である照明用ランプや二次電池関連の部品なども生産している。特に、パナソニックが米国テスラの車両に供給する二次電池などは新しい成長動力として注目されている。



  総合電機メーカーだった日立は、産業電機や重電機ITインフラ事業へと事業を再編した。個人-企業間取り引き(B2C)商品から企業間取り引き(B2B)に切り替えた。儲けが出ない事業から素早く撤収することを体得した日立だ。2008年の経営危機以降、いち早く事業を再編した。儲けられれない事業を大胆に整理することは、今や企業文化として根付いている。三菱電機も利益率が高い工場自動化事業に注力している。

  だが、核心となるものを持っていなかった東芝やシャープ、NECなどは苦戦を強いられている。日本電子機器業界のパラダイムシフトだ。1等でないと耐えられないレッドオーシャンの電子機器生態系から脱し、自動車業種まで手を広げている。これら企業は部品メーカーと呼ばれることになんの感情も持たない。

  実際、自動車部品販売で好況を享受している電子部品メーカーは多くある。超小型モーターで強みのある日本電産は売上高が1兆ウォン(約1000億円)を越える。TDKやアルプス電気、村田製作所など代表的な電子部品メーカーも自動車市場に大挙として進出している。

  自動車業種は相対的に営業利益率が高い。そこそこの自動車メーカーなら平均5%以上だ。多くの工程で自動化が進み、プラットホームの構造変換もめったに起こらない構造だ。部品メーカーの利益率もそれだけ多い。市場状況にそれほど敏感でなくてもかまわない。何より自動運転車を基点とする新しい生態系にいち早く接することができる。

 分業を重視する日本式経営の反省

  日本企業が成長性をあきらめて収益性に転じたのは、これまで日本電子機器業界の経営に対する反省から始まった。日本電子機器産業の競争力低下の原因として、一般的に生産性の低下や日本式経営の限界などが指摘された。だが、本質的には電子機器産業構造の変化があった。日本は原材料を輸入して加工するいわゆる「加工生産」と「加工貿易」に集中した産業形態だった。だが、デジタル技術の登場と同種企業間の提携と分業の範囲が拡大する水平分業化時代が到来した。組み立てや加工を通じて完成品を作る日本のやり方は、部品を統合したり組み合わせたりするモジュール型に対しては相対的に脆弱だった。モジュール型を強みにする韓国や中国など新興国が強力な競争相手として台頭したため、日本が急速に競争力を失っていったという分析もある。

日本のライバルはドイツという分析も

  まだ日本8大電子機器メーカーの売り上げはサムスン電子の2倍にも及ばない。営業利益率も落ちる。日本電子機器メーカーのうち、営業利益率が最も高いと言われる三菱でさえ昨年6.37%だった。サムスン電子(14.49%)の半分にも達していない。日本電子機器メーカーはこのような状況を認めて「総合優勝」よりも「種目優勝」に方向を定めたのだ。日本の強みである部品技術や素材技術などで市場を握ろうとする戦略だ。創造的ソフトウェアよりハードウェアに重点を置こうとする方向だ。

  専門家は日本のライバルは米国ではなくドイツだという指摘もしている。だが、ソフトウェアに弱い日本の姿を映し出している側面もある。『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』の著者、泉田良輔氏は「結局、日本は技術だけで勝負をかけてはいけない」とし「技術を編集して応用することがより一層重要だ」と指摘している。