液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は今夏をメドに抜本的な経営再建案を策定する。事業の構造改革を進める中期経営計画を撤回し、国内工場の再編に加えて他社との資本提携も視野に検討する。17年3月期に3期連続で最終赤字となったJDIは足元で資金繰り問題が再燃している。抜本的な改革案が必要だと判断した。

新たな中計は6月21日の定時株主総会後に発足する新経営陣のもとで協議して8月をメドに発表する。国内工場の再編や人員配置の見直しなど、赤字体質脱却に向けた抜本的な対策を盛り込む見通し。

 構造改革費用を捻出するために外部資金も活用する。筆頭株主の産業革新機構のほか、外部の投資ファンドなどに支援を要請している。国内外の事業会社との資本業務提携なども視野に検討を始めている。



 資金繰りに窮していたJDIは16年末に有機EL事業を強化する「成長戦略」を打ち出し、革新機構から750億円の資金支援を得ていた。ただ年明け以降も液晶パネルの受注は回復せず手元資金が流出。受注が低調な4~6月期を迎え、再び資金繰りが悪化している。



 JDIは12年に事業を開始。スマートフォン(スマホ)などの中小型液晶パネルで世界首位ながら3期連続の最終赤字に苦しむ。母体企業の日立製作所と東芝、ソニーの高コスト体質を引きずっており固定費削減を断行する。

 16年末に発表した中計では19年3月期に売上高を1兆1千億円(17年3月期は8844億円)、営業利益を880億円(同185億円)に伸ばすとしていた。しかし売上高の4割程度を依存する米アップルが今秋発売の「iPhone」の一部モデルに有機ELパネルを採用することでJDIの売上高は大幅減少する。

 中計の前提条件が大きく揺らいだために目標数字を取り下げることを決めた。固定費削減などの構造改革を優先し、17年中に予定していた有機ELのJOLED(ジェイオーレッド)の子会社化も先送りする。

 JDIは3月に革新機構と同社を所管する経済産業省主導で経営陣の刷新を発表していた。JOLED社長の東入来信博氏が会長兼最高経営責任者(CEO)としてJDIの経営のカジ取りを担う。新体制は発足時から難局に直面する。