シャープと親会社である台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、米国内にスマートフォン(スマホ)向けなどの中小型パネルに加えて、テレビ向けの大型液晶の工場新設を検討していることが7日、分かった。米国はテレビなど液晶パネルを使う製品の大消費地だが、パネル生産自体はアジアが主体で国内に拠点はない。2拠点でパネルを現地生産し、大型テレビ向けや、自動車、航空など幅広い業種向けの受注獲得を狙う。

 シャープが鴻海傘下に入って約10カ月。今年度は最終損益が黒字化の見込みになるなど業績も回復しており、攻めの戦略が目立ってきた。



 中小型の生産に適した「第6世代」に続き、大型向けで世界最先端となる「第10.5世代」と呼ぶ大きさのパネルの生産拠点を米国内に設ける方向で検討を始めた。総投資額は8千億円を超える規模となる見通しだ。

 第10.5世代の新たな工場では、65インチ以上の大型テレビ向けのパネルを生産する計画だ。2018年にシャープが販売を始める予定の超高精細の「8K」液晶テレビ向けのパネルの生産にも対応する考え。現在、シャープと鴻海は19年の量産を目指し、中国・広州でも月9万枚の生産能力を持つ同世代の大規模工場を建設中だ。両社は共同運営する堺ディスプレイプロダクト(堺市、SDP)も含め、日米中の世界3極で大型パネルを生産できる体制を整える。

 スマホや車載向けなどのパネルを供給する中小型の工場については、生産能力が月6万枚程度と、同じ大きさのパネルの主力拠点であるシャープの亀山第1工場(三重県亀山市)の約2倍の規模となる見通し。20年初めまでの稼働を目指す。

 6月上旬には工場を誘致している数州の知事らも来日して堺市のシャープ本社を訪問するなど、候補地の選定に向けた作業も進んでいる。シャープと鴻海は各州の支援策などを精査した上で最終的な立地を決める考え。

 中小型工場はパネルの供給先として期待する自動車産業が集積しているミシガン州を軸に検討を進めている。また大型パネル工場については中西部ウィスコンシン州などを候補に選定を進める。両社は今秋までには最終的な計画をまとめる方針だ。