「有機EL投資ブームに火がついた。工程上、有機ELは液晶よりパネル製造装置を数倍多く使う。装置メーカーは関連投資で恩恵を受け活況だ」。野村証券の和田木哲哉マネージング・ディレクターは、こう指摘する。  ローツェ(証券番号6323)、アルバック(同6728)、ブイ・テクノロジー(同7717)──。
ディスプレーパネル製造装置株が、今年に入って相次いで上場来高値を更新した(株式分割を考慮したベース)。株高を支えるのは、相次ぐ装置受注や好調な業績だ。
各社は、受注案件の納入先や装置の種類など詳細を開示していないが、市場では「有機ELパネルメーカーからの旺盛な受注」というのが一致した見方だ。





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Economist 2017June1
有機ELパネルメーカーは昨年来、巨額の設備投資に動いている。特に、量産体制を確立している韓国2強は驚異的な額をつぎ込む。
サムスンディスプレイの今年の有機EL投資は、10兆ウォン(約1兆円)に上るとささやかれる。LGディスプレイも、坡州(パジュ)工場での有機ELライン増設に約2兆ウォン(約2000億円)を投じることを発表するなど、こちらも総額10兆ウォン(約1兆円)の設備投資がささやかれる。
Economist 2017June2
産業育成を国策とする中国でもパネル工場新設が相次ぐ。  有機ELの活況を演出しているのは、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」だ。今秋発売の新型アイフォーンのうち高級モデルへの採用が決まっている。今年4月、サムスンディスプレイに7000万枚を注文したというニュースが世界を駆け巡った。  
Economist 2017June3
みずほ銀行産業調査部の調べでは、今年の有機ELディスプレー出荷見込み額は、前年比26%増の210億7500万ドル(約2兆3400億円)に達する。その87%を占めるのはスマートフォン向けだ。
Economist 2017June4
Economist 2017June5

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